【新唐人2011年10月26日付ニュース】カダフィ氏死亡の知らせに、リビア国民が歓喜に沸きました。しかし、これまで「独立独歩」だとカダフィ氏を賞賛してきた中国共産党はカダフィ氏の死に冷淡で、国営メディアの論調も他とはやや異なるようです。
10月20日、カダフィ氏の死亡により、42年にわたる独裁政治がリビアで終結しました。この知らせを受け、反カダフィ派の兵士らは、空に向けて発砲し祝います。8ヶ月にわたる戦闘にも終止符が打たれました。
世界各国の指導者もカダフィ氏の生前の蛮行を批判し、暴政の終結を祝いました。アメリカのオバマ大統領は、「カダフィ氏の死で、新たなページが開かれた」と述べ、欧州委員会のバローゾ委員長は「リビアの独裁時代が終わった」と評価。さらに、国連の潘基文事務総長や、イギリスのキャメロン首相なども、リビアの暴政の終結を祝うと明確に表明しました。
では中国当局の反応とは?スポークスマンの姜瑜氏は21日、カダフィ氏の死亡ニュースに対して、「リビアができるだけ早く、包容力のある政治プロセスに着手できるよう望む」と発言。カダフィ氏の死亡に対しては言及しませんでした。もちろん、中国の指導者は誰一人として、反応を見せていません。
では中国国営メディアの報道とは?
中国共産党系の主要サイト「新華網」「人民網」、どちらもカダフィ氏死亡のニュースを目立つ場所に掲載。ただし新華網は、「かつて、『烈士』になると何度も誓ったカダフィ氏は、戦場で殺されたものの、フセインのようにさまざまな辱めを受けなかったので、最悪の結末ではない」と評論。さらに、「リビア当局と国際社会にとって、カダフィ氏の死亡で未来がバラ色になるわけではなく、逆にさまざまな試練が待ち受けている」とも分析しています。
共産党系の「人民日報」も、関連報道の副題で、「各派閥の抗争が激しくなっているととらえる世論」と付け加えています。
このほか、中国社会科学院の研究員、殷罡氏は、軍閥による内戦の可能性がないわけではないと警告しました。これらに対し時事評論家の陳志飛氏の見方は異なるようです。
時事評論家 陳志飛氏:「リビアの暫定政府はすでにカダフィは歴史舞台から去り、民主化プロセスが始まったと述べ。8ヶ月以内の選挙と約束しました。リビアは全体として安定しています。だから多くの国民が民主化を望む前提で、基本的人権のある前提の下で、民主化プロセスは整然と国民の利益に即して進められ、短期間で解決するでしょう」
さらに新華網の記事を見てみましょう。こちらも「盗品の分配に焦る欧米」との副題が付いています。記事では、「イデオロギーの面から言って、欧米にはこの戦争に関わる理由はない」と指摘。この戦争に関与したのは、経済利益のためだといい、「あからさまな経済利益の分配の過程」だとさえ言い切りました。
時事評論家 陳志飛氏:「しかし米国の石油輸入を見ると最大の石油輸入国は中東の国ではなくカナダです。50%ほどで2位がサウジアラビアです。ただ3位はサウジと輸入量はほぼ同じでメキシコです。石油目当てだとの意見がありますが、米国にとってカナダやメキシコへの侵略のほうがイラクやリビアに侵略するよりも石油問題を容易に解決できるはずです」
また反カダフィ派を支援した欧米について、陳氏は、欧米の人権の理念に基づいて、リビア人による民主化運動に手を差し伸べたのだと結びました。
新唐人テレビがお伝えしました。
-【禁闻】卡扎菲毙命--中共大做文章.html